抽象的な

急性四肢虚血に対する非外科的治療の適応

山根晴也、荒木良、安倍晴彦、上田泰典

急性四肢虚血(ALI)は、四肢灌流が突然低下し、生命および四肢の生存が脅かされる疾患です。ALI に対する標準的な治療法としては、従来は閉塞カテーテル(フォガティーカテーテル)を用いた外科的血栓除去術が行われてきましたが、最近、外科的血行再建術に代わる治療法として血管内治療(EVT)が開発されました。しかし、その適応は未だ明らかではありません。私たちは、従来の治療法の適応を再検討し、独自の技術を導入しました。ALI に対する非外科的治療法には、経皮的血栓吸引術(PAT)、カテーテル誘導血栓溶解療法(CDT)、血管形成術、ステント留置術などがあります。PAT は、膝下動脈などの小血管の ALI 患者に有効です。CDT は、ラザフォード分類 I 度の患者に推奨されます。末梢動脈疾患で確立された戦略である血管形成術とステント留置術は、ラザフォード分類のどのグレードのALI患者にも適用できます。私たちは以前、ALIの非ステント留置領域にガイド延長カテーテルを使用する血管内治療技術、「一時的内腔内バイパス(TEB)技術」を報告しました。この技術は灌流カテーテルの概念に基づいており、ALIの治療に応用されています。この技術は3つのステップで構成されています。最初に病変の長さを測定します。次に、病変を完全にカバーするようにガイド延長カテーテルを挿入します。最後に、血管造影で末梢血流を確認します。続いて、ウロキナーゼ(10,000 U/時)をシースから血管に選択的に投与します。血栓溶解のエンドポイントは、ガイド延長カテーテルを抜去した後の順行性血流の達成によって決定されます。TEB技術は基本的に、ラザフォード分類IIaおよびIIbのALI患者に推奨されます。 TEB 技術は、さらなる調査が必要ですが、ALI の代替治療選択肢となる可能性があります。

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